新天皇即位祝う能「大典」30年ぶり上演されます。
わたし自身、初めて「大典」という言葉を聞きましたので、その意味や歴史、今回、大典を演じられる方などが気になりましたので色々と調べました。
まず最初にわかったのは、改元されないと上演されない珍しい能楽ということです。
その歴史は、大正4年にまで遡ります。
それでは、新天皇即位祝う能「大典」(たいてん)とは?意味や上演の内容を調査!と題して紹介していきます。
「大典」(たいてん)とは?
大典とは「能」のことで、大正4年に京都・片山能楽堂での上演が初めてです。
内容は、天皇の即位式大典の奉告祭が行われたところ、天津神(あまつかみ)(九郎右衛門)が天女(味方玄)を引き連れ天下り、新たな御代(みよ)を祝福して舞う、という奉祝能です。
また、御代替わりを祝う曲のため過去数回しか上演されていません。
最近では平成2年、熱田神宮(名古屋市)での即位の礼祝賀行事で披露されたのが最後となっています。
まさにこれから時代(元号)が変わろうとしている部分を描写した形なんでしょうね。
「大典」(たいてん)の意味は?
重大な儀式や大儀、大礼と言う意味合いがあり、今回は、「即位の大典」ということになります。
今年の大典はどういった内容?
作者は旧京都帝大の独文学者、藤代禎輔(1868~1927年)。夏目漱石の友人で、万葉集の独語訳に取り組むなど、和歌にも通じていた方です。
今年は、元の詞章には現代に合わない部分もあるため、法政大の西野春雄名誉教授(能楽)の監修を受けて現代に合った内容にするということです。
原文では京都・平安神宮が舞台ですが、今回は一般的な三重・伊勢神宮に変更。
西野名誉教授は万葉集の引用などいい部分を残し、改元を祝福する内容にするということです。参考:news-postseven.com
大典を演じる方は?主演は?
引用先:jtcf.jp
今回、主演される方は、京都能楽界を牽引(けんいん)する観世流シテ方、片山九郎右衛門さんです。
名前:片山 九郎右衛門(かたやま くろうえもん)
本名:片山 清司(かたやま きよし)
生年月日:1964年(昭和39年)12月23日
出身:京都府
最終学歴:同志社大学文学部中退
職業:能楽師
全国各地で多数の公演に出演するほか、海外公演にも積極的に参加しています。
1997年京都府文化賞奨励賞
2003年京都市芸術新人賞
2003年文化庁芸術祭新人賞
2007年日本伝統文化振興財団賞
2015年芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した。
国民文化祭・京都2011(京都国文祭)総合開・閉会式舞台プロデューサーを務めた。
片山九郎右衛門さんのコメント
「改元がなければ上演できないので、まさか自分が演じるとは思いませんでした。興奮しています」
「令和も万葉集から取られた元号なので、不思議なご縁を感じます。『大典』も言葉が美しい」
さいごに
改元されないとと上演が出来ない特別な大典。
今回、色々と調べましたが、その歴史も古く、時代に合わせた内容に作り変えるなど、古さと新しさを兼ね備えた能楽だということがわかりました。
これをきっかけに能楽にもう少し触れてみたいと思います。
お読みいただきありがとうございした。